もりや人vol.2

守谷に住む人なら誰もが知っている「モコバス」。街中で見かけるその愛らしい姿はすっかり人気者ですよね。「でも、あのバス一体誰がデザインしたんだろう?」
そう思っていたら、何と、その方は守谷に住んでいるデザイナーさんでした。
というわけで今回の「もりや人」は、デザイナーの栗原まさとしさんです。
〈不思議な縁にひかれて〉
そもそもどうしてモコバスをデザインすることになったのでしょうか。そこにはちょっと意外なわけが。
「4年前、守谷市から『やまゆり号』のペーパークラフトの製作を頼まれたのがきっかけなんです。」
やまゆり号といえば、モコバスが登場する前のコミュニティバス。モコバスのインパクトが強すぎて、今では忘れられている感もありますが、確かに守谷を走ってました。「利用者30万人の達成を記念して、簡単に作れるやまゆり号のペーパークラフトをつくることになり、市の担当の方がペーパークラフトのことを調べていたら私のことが目にとまったみたいで。声をかけてみたら、私が守谷に住んでいることがわかり、とっても驚かれたみたいです。」
実は、ペーパークラフトは栗原さんが6年ほど前に始めた趣味。友人のデザイナーと一緒に子どもでもつくれるペーパークラフトの車をデザインし、台紙をインターネットの専用サイトで提供しています。これが大人から子どもまでアクセスのある人気サイトに。
(BOOOON! CITY www.isdesing.co.jp/boooon-city

これをきっかけに市役所とのお付き合いがはじまった栗原さんに、3年後、新しいコミュニティバスのデザインを考えてほしい、という相談が舞い込みました。「やまゆり号とは大きくイメージの変わるデザインをお願いしたい、という依頼でした。」イメージを大きく左右するものと言えば色。栗原さんは空の色を提案します。
「自分が好きな色でもあったし、空そのものをモチーフとして使うことを提案しました。」市役所の方といろいろ相談していくうちに広がったアイディアもあります。「色んなデザインパターンを持っていったら、結構どれも気に入ってくれて。確認してみたら、一台一台作るので、全部違うデザインでもいい、ということがわかったんです。それなら春、夏、秋、冬、それぞれの絵柄の車両を作ろうという話になったんですよね。」
皆さん、モコバスには四季それぞれのデザインがあるって知っていましたか?

〈デザイナーという仕事〉
栗原さんがデザインするものは実に多種多様。ポスターやパンフレットなど印刷物のデザインから、子どもが遊ぶおもちゃの商品やパッケージ、缶詰のデザインまで、本人曰く、「2次元のものなら何でも」だそうです。そのデザインされたものからは、共通して、どこか親しみのわく、ほのぼのとした暖かさを感じます。

デザインの仕事ってアイディアが出てこなくて悩んじゃうことはないのでしょうか。
「私は悩んだら、とにかく手を動かしてデザインアイディアを数多く出すことにしています。自分がいいと思っても、お客さんが支持してくれるとは限らない。意外な反応を示すこともあります。だったら私が悩んで時間をつぶしてしまうより、お客さんに悩んでもらった方がいいじゃないですか(笑)。」
栗原さんの職場は、自宅兼アトリエ。でも、そこだけが仕事場ではないと言います。「家族との出かけ先で、子どもと遊びながら描いていたものが仕事になったりもします。あまり、ONとOFFの区別がないんですよね。だから平日でもよく、守谷のまちをカメラ片手にスクーターでトコトコ走ってますよ。利根川の土手とか、いいですよねー。」
きっと大変な仕事なのでしょうが、ちっともそんな風に見えない。
仕事と生活が一緒になった守谷ライフを満喫している感じの栗原さんでした。
(barista)