広報部会に環境部会、催事部会、防犯部会、防災部会、子ども会に山百合クラブ・・・。さてこれは何でしょう?実はこれ、驚くなかれ、守谷市のある一つの町内会の中にある組織の名前なんです。今回のもりや人は、そんなとっても元気な町内会づくりに力をあわせて取り組んできた、安藤聖志(あんどうきよし)さんと髙木保(たかぎたもつ)さんをご紹介します。
タッグの誕生
守谷市下ヶ戸地区。今年のこの地区の新年会には、小さな子どもからお年寄りまで、なんと180名もの人が参加しました。餅つきやじゃんけん大会など趣向がこらされた企画がいっぱい。「今でこそ盛り上がっていますが、当時はみんなが喜んで参加するような楽しい新年会にするにはどうすればいいか、一所懸命に考えてましたね。」安藤さんは町内会の役員を引き受けた時のことをこう振り返ります。
安藤さん(左)と髙木さん(右) |
安藤さんと髙木さんが町内会の活動に係わるようになったのは今から9年前のこと。持ち回りで担当する町内会の役員を引き受けたことがきっかけでした。サラリーマン生活が長く、地域には係わることがほとんどなかった二人、「互いに10年以上も同じ町内に住んでいて、会って話すのは初めて」だったといいます。でも、その頃地域のことが気になりだしていたお二人が、ある日、大野地区について勉強する会に出かけてみると、偶然そこでも顔をあわせることに。「どうせやるならしっかりやろう」と意気投合し、二人にとっての新たな町内会活動がそこから始まりました。
今年行われた防災訓練の風景 |
まず、会長が毎年変わっていると継続性をもった取り組みがなかなか進まないという課題があったことから、会長の任期を延ばし、選挙や推薦・協議によって選ぶことができるように町内会の規約を改定。そして退任した役員にも町内会の行事に係わり続けてもらえるように、顧問や幹事などの新しい役回りを取り入れました。また、行事にも力を入れ、たくさんの人に集まってもらえるように新年会の企画を練り直したり、防災訓練をかねた芋煮会や里山の清掃活動をきっかけたとしたホタル祭りなど、新たなイベントも多数取り入れていきました。さらには予算の改革や町内の行事を効果的に広報するための掲示板の設置など、町内のたくさんの人に協力を得ながら、一つひとつ、地道に取り組みを進めていったのです。「この地区は守谷で始めてできた新興住宅地で、その後に作られた大きなニュータウンと違い、集会所をはじめとして地域づくりのためのハードが全くなかった。逆にそれだからこそ、この町会にはいろんなことに自主的に協力しあって工夫しながら取り組む雰囲気がありました。」(髙木さん)
一つの家族のような町内会を目指して
ホタル祭りの様子 |
しかし、こうした取り組みを続けることは口でいうほど簡単ではないはず。たくさんの人々の協力を得る上で大切なことは何でしょうか。「働きかける人間に想いや理念があること、そしてぶれないことですね」と安藤さん。そして髙木さんは、「とても地味な仕事をきちんと続けてくれるすばらしい人がいる。そういう熱心な人に活躍していただくことですかね」と話してくれました。
今、下ヶ戸町内会の総会資料には、前の年の行事の楽しい写真が一杯に掲載され、新しい年度の行事予定がびっしりと書き込まれています。
特に昨年からは守谷市の制度を活用した地域交流の場として、「ふれあい館」の運営を行っていることもあり、写真展やお茶会、陶芸展など、さまざまなイベントが行われていていつもにぎやか。震災以降、人の絆が改めて問われている中で、「下ヶ戸が一つの家族とみんなが思えるようなそんな町内にしたい」という髙木さんの言葉に重みを感じる想いがしました。